リスク管理|ESG|Nippon Prologis REIT, Inc.

Nippon Prologis REIT, Inc.ESG

リスク管理

本投資法人の資産運用に関するリスク管理体制

運用ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守

本資産運用会社は、本投資法人の規約に定める資産運用の基本方針を実現するため、本投資法人の規約等に沿って「運用ガイドライン」を策定し、投資方針、利害関係者との取引ルール、投資物件の取得及び売却並びに投資物件の運営管理に係る基本方針等を定めています。本資産運用会社は、運用ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めています。
また、本資産運用会社は、「リスク管理規程」において、リスク管理方針、リスク管理統括者及びリスク情報発見時の対応方法等を規定し、本資産運用会社が管理すべき主要なリスクとして、運用リスク、財務リスク、システムリスク、レピュテーションリスク、コンプライアンスに関するリスク及び反社会的勢力に関するリスク等を定義し、取締役会や本資産運用会社のリスクに関する統括者であるコンプライアンス・オフィサー及び各部のリスク管理に関する責任者である各部の部長の役割を定めています。
リスク管理状況については、各部長がモニタリングを実施し、半年に1度コンプライアンス委員会及び取締役会に報告されており、リスク管理体制の適切性及び有効性については、コンプライアンス・オフィサーが統括する内部監査等により定期的に検証されています。

リスク評価

本投資法人のリスクの評価

本投資法人の事業環境におけるリスク及び資産運用上のリスクに対して、本資産運用会社の定める「リスク管理規程」及び「リスク管理マニュアル」において指定されたリスク管理項目に従い、定期的にモニタリングを実施し、各リスクの評価を行っています。リスク評価により明らかになった潜在リスクについては、それらのリスクへの対応方針に沿って本資産運用会社が運営を実施することによりリスクを最小化し、運用体制及び本投資法人のポートフォリオがより強靭なものとなるよう努めています。現在モニタリングを実施しているリスク管理項目は下記のとおりです。

  • 商品設計に関するリスク(投資不動産の選択上のリスク等)
  • 関係者に係るリスク(テナント等による物件の利用状況に関するリスク等)
  • 運用資産の特性に係るリスク(賃料収入の変動リスク、物件の滅失・毀損・劣化に関するリスク等)
  • 本投資法人の財務に関するリスク(資金調達に関するリスク等)
  • 反社会的勢力に関するリスク(不当要求に関するリスク等)
  • コンプライアンスに関するリスク(本投資法人に関する法定開示に係る虚偽開示のリスク等)

本投資法人の事業環境において今後発生が想定されるリスクとその対応

本投資法人及び本資産運用会社は、日々変化する事業環境において今後発生が想定される現象とそれに伴うリスクの調査・分析を行い、特に本投資法人に長期的に影響を及ぼす可能性が高いと想定されるリスクを抽出し、それらのリスクに対して、従来から実行中の対応策の有効性の検証や新たな対応策の検討に取り組んでいます。

原因となる事業環境の変化 想定される現象 想定されるリスク 本投資法人・本資産運用会社が実施又は検討中の対応策
世界的な金融危機の発生 資本市場の機能不全 世界的な金融危機の発生により、本投資法人の資金調達環境が悪化し、外部成長資金の調達や有利子負債のリファイナンスが困難となり、本投資法人の財務状況に重大な悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の有利子負債比率を保守的な水準に維持し、強靭なバランスシートを確保すると共に、外部成長やリファイナンスの実行に必要となる十分なリクイディティを確保する。
高インフレーションの発生と急激な金利上昇 デット資金調達コストの増加 世界的な財政・金融緩和政策の広がりが、インフレーション率の上昇と金利の上昇をもたらし、本投資法人のデット資金調達コストの増加を招き、本投資法人の損益に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の有利子負債について可能な限り、長期化・金利の固定化を図り、当面の金利上昇リスクを回避する。
日本経済のさらなる停滞 日本のマクロ経済環境の悪化 少子高齢化の進行や技術革新の国際的競争での敗北、世界的なパンデミックといった様々な要因により、日本のマクロ経済環境が悪化し、本投資法人のカスタマーの業績が悪化することにより、本投資法人の収益に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人のポートフォリオ及びカスタマーの分散化をさらに推進し、本投資法人の収益力の安定性向上に努める。
原因となる事業環境の変化 想定される現象 想定されるリスク 本投資法人・本資産運用会社が実施又は検討中の対応策
地球温暖化の進行 海水面の上昇 海水面の上昇により、臨海地域に所在する本投資法人の保有資産が高潮等により浸水被害を被ることにより、当該被災資産の損益悪化及び価値の下落をもたらし、ひいては本投資法人の損益に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の保有資産を対象とした最新のハザードマップに基づくリスク量の判定プロセスの導入並びに各保有資産に関する被害予測の検証・対策工事の要否の確認体制の充実化について検討する。
異常気象の発生 過去例を見ない規模の強力な台風や豪雨等の発生により、本投資法人の保有資産が破損し、当該被災資産の損益悪化又は価値の下落をもたらし、ひいては本投資法人の損益に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の保有資産を対象とした最新のハザードマップに基づくリスク量の判定プロセスの導入並びに各保有資産に関する被害予測の検証・対策工事の要否の確認体制の充実化について検討する。
猛暑日の増加 夏季の異常な気温上昇により、本投資法人の保有資産の建物内部の温度が高温となることで、設備機器類の故障・停止等の発生やカスタマーの従業員等の健康面・労働環境が悪化する事態を招き、当該保有資産の管理・運営に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の保有資産の外壁・屋根等に断熱効果の高い素材の採用を継続すると共に、カスタマーの要望、建物・施設面の現況、予算等の諸条件を踏まえ、環境性能の高い空調設備の導入を検討する。
脱炭素化に向けた社会の流れ 二酸化炭素排出量削減に向けた規制の強化 二酸化炭素排出量の削減のため、法令又は条例等による排出量削減目標が設定され、本投資法人の保有資産に対しても排出量削減義務が課され、その達成のために必要となる追加投資や削減義務を履行できない場合のペナルティ等の費用の支出が必要となり、本投資法人の損益や評価に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人を取り巻くバリューチェーンにおいて、二酸化炭素排出量の削減を進めるための体制を整備する。インターナルカーボンプライシングの導入に向けた議論を開始する。
ZEBなど省エネ・再エネ等の新技術の導入コストの増加 省エネ・再エネ等の新技術が開発され、本投資法人の保有資産においてそれらの新技術を導入するためのコストが増加することで、本投資法人の損益に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の有利子負債比率を保守的な水準に維持し、強靭なバランスシートを確保することに努め、新技術の導入が急遽必要になった場合にも対応できる十分な財務余力を確保する。
カスタマーの嗜好の変化 本投資法人の保有物件に入居するカスタマーが脱炭素への指向を強め、炭素性能が劣る物件を選好しなくなることによる保有資産の価値毀損リスク 本投資法人の保有資産の環境性能を高い水準で維持することに努め、継続的なグリーンビルディング認証の取得を検討する。
大規模地震の発生 被災による公共インフラの機能停止・甚大な人的被害の発生 南海トラフ地震、首都直下地震といった広域にわたる大規模地震の発生により、本投資法人の保有資産が損害を受けたり、連絡手段の喪失等により本投資法人又は本資産運用会社の運営体制の一時的な停止等が発生し、本投資法人の損益や評価等に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人・本資産運用会社の関係者とその家族等の安否・安全確保の確認を行うと共に、プロロジス・グループのBusiness Continuity Management Systemにより、スポンサーと共同で本投資法人の保有資産の被害状況確認・早期復旧・稼働継続等に可能な限り尽力する。
原因となる事業環境の変化 想定される現象 想定されるリスク 本投資法人・本資産運用会社が実施又は検討中の対応策
日本の少子高齢化の進行 物流産業の労働力不足の慢性化 慢性的な物流産業の労働力不足により、本投資法人のカスタマーが業容を伸展させることが出来なかったり、人件費上昇により業績が悪化し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の保有資産の設備面の向上を図り、管理運営面のクオリティをさらに強化し、カスタマーの従業員等の健康と快適性に配慮した労働環境の実現に継続して取り組む。保有資産において、プロロジス・グループの展開する人材派遣会社の紹介等の支援策の導入により、カスタマーの人材確保対策に協力する。
本資産運用会社及びプロロジス・グループにおける人材確保の難易度の上昇 本資産運用会社を含むプロロジス・グループにおいて、優秀な人材を確保することが困難となり、本資産運用会社に必要な人員体制を構築・維持することができず、本投資法人の資産運用に悪影響を及ぼすリスク 本資産運用会社及びプロロジス・グループにおける従業員の意識及び労働環境のモニタリングに細心の注意を払い、従業員の労働意欲と帰属意識を高めるよう努める。従業員のニーズに応じて多様な働き方が可能となる体制を整備する。
未知の感染症 未知の感染症の蔓延による社会的・経済的損失の発生 日本又は世界において、未知の病原体等を原因とする感染症が蔓延し、社会的・経済的活動が停滞・縮小する事態となり、それに伴い、本投資法人の保有資産のオペレーションが停止又は遅滞し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼすリスク 本投資法人の保有物件が所在する地域において、未知の感染症が蔓延する事態が発生した場合において、当該資産のオペレーションの可能な限りの継続、又はオペレーションが停止した場合からの速やかな復旧を可能とするため、日頃から本資産運用会社及びプロロジス・グループの社員の衛生面の意識を高める活動を行うと共に、感染症が蔓延する非常時においても保有物件のオペレーションに支障のない体制を構築する。
原因となる事業環境の変化 想定される現象 想定されるリスク 本投資法人・本資産運用会社が実施又は検討中の対応策
情報技術の高度化・複雑化・グローバル化 サイバーアタックによるコンピューターシステムへの脅威の拡大 本投資法人及び本資産運用会社のコンピューターシステムに対し外部よりサイバーアタックが行われ、その被害に遭った場合、本投資法人及び本資産運用会社の運営が阻害され、又は情報漏洩等の不測の事態の発生により、本投資法人の運営に悪影響を及ぼし、レピュテーションが低下するリスク 本資産運用会社において、サイバーセキュリティは重要なコーポレートリスクの一つとして捉え、最新のセキュリティシステムを導入し、外部からのコンピューターシステムへの侵入防止とインシデント発生時における対応態勢の構築・維持に努めると共に、本資産運用会社の役職員に対して、継続的に研修を実施し、サイバーセキュリティ及び情報管理に関する意識づけと対応力の向上を図る。

サイバーセキュリティリスクの認識

本投資法人及び本資産運用会社は、その運営の効率化及び円滑化のためにコンピュータシステム等の電子情報機器(以下「システム等」)を使用しています。近年、こうしたシステム等に対してはインターネットを介した外部からのハッキングやサイバー攻撃、不正アクセス又はコンピュータウイルスへの感染等の情報セキュリティ事故等が国内外において頻発しており、本投資法人及び本資産運用会社が情報セキュリティ事故等の被害に遭った場合、本投資法人及び本資産運用会社の運営に著しい障害が発生する可能性があります。そのため、本投資法人及び本資産運用会社は、情報セキュリティ事故等が発生しないようシステム等を適切に使用し、サイバーセキュリティに関するリスクを最小化するための必要な管理体制を整備しています。また、本資産運用会社は、システム等の安全管理・構築・運用を担う情報システム等管理責任者を設置しており、万が一情報セキュリティ事故等が発生した場合に備えて包括的なリカバリープランを実装し、サイバーセキュリティリスクの軽減に努めています。